【住宅ローン】ネット銀行のメリット・デメリット〜銀行員がお勧めする理由〜

金融商品

こんにちは。ピッポです。

今日は「住宅ローンを組むならネットとリアル銀行どっちが良い?ネット銀行のメリットとデメリット」
というテーマでお話ししたいと思います。

ここ数年は土地の価格だったり資材価格だったり、
ありとあらゆる物の値段が上がってしまっている反面、
各銀行の住宅ローン低金利競争が激しさも増しています。

そこで、金融機関に10年以上勤める私の目線も交えて、
金利以外にも考えるべきポイントを押さえつつお話ししたいと思います。

前提として、ネット銀行と実店舗があるリアル銀行どちらがオススメかと言うと

ネット銀行がオススメです!

金融機関に勤める私ですが、ネット銀行で住宅ローンを組みました笑

実際にネット銀行で住宅ローンを組んだ私が、体験談を踏まえてネット銀行のメリット・デメリットについて解説していきます。

まずメリットとデメリットは下記の通りです。
(細かい話は、項目ごとにお話しします)

〈メリット〉
・金利が低い
・非対面で時間の融通が効く
・審査が早い
・信用保証料無料のことが多い
〈デメリット〉
・対面で相談できないことが多い
・審査が厳しい
・事務取扱手数料が高い

金利が低い

ネット銀行の最大のメリットはやはり、金利が低いことです。
メガバンクの金利は0.3%台中盤〜0.5%程度であるのに対し、ネットバンクは0.2%台前半〜0.4以下が多いです。
※リアル銀行は「メガバンク→地銀→信用金庫等」の順で金利が高くなっていく傾向があるので、リアル銀行についてはメガバンクを軸にお話しします。
たかが0.1%ちょっとの差だと思うかもしれませんが、住宅ローンは借入額が非常に大きくなるので、侮れません。
例えば【借入額5,000万円、借入期間35年、ボーナス払いなし】で比較してみると、、
金利0.25%の場合:124,344円/月
金利0.35%の場合:126,505円/月
月々2,161円、年間25,932円の差です。借入期間が35年だと考えると、単純計算で90万円ほどの差があります。
なので、金利が低いというのは最も大きいメリットの一つです。
ネット銀行は実店舗にかかる維持費や人件費が少ないことなどから、実現できる強みですね。

非対面で時間の融通が効く

次のメリットは「非対面で時間の融通が効く」という点です。
リアル銀行は基本的に平日の朝9時から15時までしか窓口は空いていません。
融資相談であれば定時の17時〜17時半、もしくは夜(20時とか)でも対応してくれるケースはあるかもしれませんが、働き方改革の浸透もあり、以前より融通が効かなくなっています。
私自身も若手時代、20時頃に自宅訪問して契約手続きなどを行った経験がありますが、今ではその様な話を社内で聞くことはありません。
その点、ネットバンクであれば「早朝、深夜、会社の昼休み、通勤時の電車内」など好きな時間に申込手続き等を行うことができます。
もちろん必要書類を揃えたり、それをデータとしてアップロードしたりする必要はありますが、書類を揃えるのはリアル銀行でも同じことです。
何より、「担当者と都合の合う時間を作る」ということをしなくて済むので、時間の拘束やストレスがないのが大きいです。
細かい話ですが、担当者に会いにいく時間コストや交通費がもったいないですし、担当者のミスで書類に不手際などがあれば会う回数(時間コストや交通費)が増えてしまいます。
そういったことを避けられる点もメリットと言えます。
デメリットとしてあげるとすれば、
対面を好む人にとっては、「ちょっとした疑問や相談」をしにくいというのはあるかもしれません。
何かあればコールセンターに電話する必要があるので、そこは好みによります。
私の場合は、対面であっても担当者が質問にすぐ答えられるとは限りませんし、曖昧な知識で間違った回答されても困るのでコールセンターに聞いた方が確実だと思います。
※ネット銀行全てが「対面の面談が不可」というわけではなく、出来る銀行もあります。
何よりこの御時世、大抵のことは自分で調べられますよね。
その方が早いし自分自身が納得できるのかなと思います。

審査が早い

ネットバンクは審査が早いです。
理由は簡単で、Webで申込をするから。
申込書類(データ)が審査部門や保証会社に届くのが早く、入力された情報をもとに機械的に審査されるからです。
リアル銀行では、グループ内で保証会社を持っている銀行があれば、そうでないところもあります。
そこに銀行の支店担当者の事務作業も入ります。
①担当者の支店内での書類の検証
②保証会社への郵送
③本申込や契約書類等の準備
これらを他の業務と並行して行うのです。時間がかかってしまうのは当然です。
書類に不備がある場合でも、行内で検証した時や保証会社側が気付くケースが多い(一概には言えませんが)ので、そこからまた会って書類を補完して…となれば結果が出るのはいつになることやら。。。
その点、ネット銀行で不備があるとすれば自分の確認不足や打ち間違いによる部分がほとんどなので、そういった意味でもストレスは少ないです。
一方デメリットは、ネット銀行は審査が厳しい点が挙げられます。
一般的に、住宅ローンで承認される金額は「年収の7倍まで」と言われてきました。
※ケースバイケースかつ、ご夫婦で収入を合算して申込する場合などは別です。
※「年収の○倍まで」という考え方を「年収倍率」といいます。
ただ、冒頭にもお話ししたように土地や資材価格が高止まりする中、「住宅ローンの申込金額」が年収の7倍では収まらないケースが増加しました。
そこで現在は、リアル銀行では年収の10倍近くでも保証会社の承諾が下りるケースが相応にあり、借入出来る金額の幅が広がりました。
また、リアルの銀行では既存取引歴や取引の深耕度合いが承諾に影響しますし、数値だけでは否決されかねない案件でも承諾されるケースもあります。
しかし、ネット銀行では未だ年収の7倍〜7.5倍が承認の上限という見方が強いですし、あくまで数値で判断されますので、審査は厳しめと言えます。
実際に私も本申込をした際、仮申込時の承認金額から400万円も減少されました。
仮申込時の承認金額でも年収の7倍だったのですが、そこからさらに厳しく見られたわけです。厳しいですね。
そちらのネット銀行はお断りさせていただいて、別のネット銀行と契約したのですが、契約した銀行でも本申込時に承認金額を10万円下げられてしまいました。。。
逆に10万円下がる理由って何!?と思いましたが、仕方ないですね。
ただ、審査が厳しいことはデメリットかもしれませんが、年収倍率10倍まで承認が下りるというのも私としてはメリットとは言い難いです。
私の経験上、人は借りられる分借りてしまいます。
しかも、一世一代の住宅購入でより多く資金を充てることができ、良い家にできるとなれば尚更出来るだけ借りようという思考が働きます。

借りたは良いものの、当然ながらその分返済額が増えます。利息も増えるので非常に支払いは厳しくなります。近年では50年まで組める住宅ローンも出てきていますが、50年て、、、25歳で契約しても終わるの75歳、、、合計利息いくら?といった感じです。

住宅ローンを申し込む際は、「いくら借りれるか調べる」のではなく、「しっかり予算を決めた中で、その金額を借りられるか調べる」ことが大切です。
予算を上回る金額を借りることができても、しっかり予算内で収めるように心がけましょう。

信用保証料無料のことが多い

最後のメリットは、「信用保証料が無料であることが多い」ということです。

住宅ローンは「お金を借りる人(申込人)」と「お金を貸す人(銀行)」と「申込人のことを保証してくれる人(保証会社)」の3者の関係で成立することが大半です。
※保証会社の保証を必要とせず、申込人の信用のみで融資するケースもゼロではないですが、例外中の例外です。

保証の流れは下記のイメージです。
①保証会社が銀行に「申込人の返済能力に問題ないから大丈夫」と保証する。
②銀行は「返済できなくなっても保証会社が保証してくれる」と融資を実行する。
③申込人は「保証してくれたおかげで融資を受けられた!ありがとう!」と保証会社に保証金を支払います。

この保証料が、ネット銀行では無料であることがほとんどなのです。

実店舗を持たないなどの理由から経費が削減できているからこそ、銀行が負担できるのです。
リアル銀行では、申込人の収入や職種等の信用力に対して保証料率がが決められ、所定の計算式で算出される保証料を支払わなければなりません。

以上のように、ネット銀行は費用面においてもメリットがありますがデメリットもあります。

それは「事務取扱手数料が高い」ということです。
事務取扱手数料とは、保証料のように保証会社が決めるのではなく、銀行が独自に決めることが出来る手数料です。
リアル銀行でも必要な手数料ですが、数万円〜十数万円の範囲の銀行がほとんど。

一方、ネット銀行の事務取扱手数料は借入額に対して2.2%が一般水準で高めです。
住宅ローンを契約する際にかかる費用の大半はこの「保証料+事務取扱手数料」であり、ネット銀行は手数料が高い(保証料が安い)、リアル銀行は保証料が安い(事務取扱手数料が安い)という特徴があります。

そして、保証料と事務取扱手数料の最大の違いは、、、

他銀行で借り換えした際、保証料は年数に応じて返金されるが、事務取扱手数料は一切返金されないという点です。

保証料は、借入期間に対して保証している金額なので、例えば35年の住宅ローンを組んで、10年後に借り換えをした場合、残りの25年分の保証料は返金されることになります。

しかし、事務取扱手数料はあくまで融資実行の手数料としての名目なので、あとで借り換えしても一切返金されません。陥りがちな落とし穴なので気をつけてください。

この費用面においてはネット銀行が圧倒的に不利です。

ネット銀行がオススメな理由

上述のように費用ではネット銀行がリアル銀行にかなり劣るお話をしました。

それでも私がネット銀行をオススメする理由は、低金利、利便性、最終的なコスパです。

私が住宅ローンを契約する時、ハウスメーカーの提携先(リアル銀行)の住宅ローンを勧められました。
私が検討しているネット銀行の金利よりも0.3%高かったのですが費用は70万円ほど安かったです。
もちろん、費用が安ければ借入額も相対的に下がるので契約時の見た目は勧められた先の方が良さそうでした。

ただ私はネット銀行を選びました。なぜなら、、、
①勧められた銀行は4年目からさらに0.3%上がるプランだった。
②4年目以降の返済額試算では、ネット銀行の方が低くなった。
③何よりリアル銀行は不便。ネット銀行の利便性最強。

こんな感じです。
私は変動金利で契約を前提として銀行選びをしていたのですが、提案されたプランは3年固定で4年目からは金利があがるプラン(さらにその数年後も金利があがるプラン)でした。
つまり、ネット銀行の方が借入金額は高くなりますし、最初の3年こそは月々の返済額も大きかったのですが、4年目以降は返済額が逆転し、8年目には合計の支払い金額もネット銀行の方が少なくなる試算だったんです。

8年経過する前に借換をすると事務取扱手数料は戻ってきませんし、損してしまうかもしれませんが、
冒頭にお話しした時間コストや交通費、諸々のストレスを考えたらネット銀行一択でした。
何より、契約する前より契約した後の方が長いんです。
その長い期間、ATMが少ないリアル店舗よりもコンビニ(手数料無料)で手続きできるネット銀行を選びますし、間違いないです。

以上、ネット銀行のメリット・デメリット&を私がネット銀行をオススメする理由でした!

住宅ローンは期間が長く、借入額もとても多い借金です!

出来る限り損失を抑えられるようにしっかりと銀行を比較して選びましょう!

目指せバリスタFIRE!

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